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「絶対運命黙示録」 幾原邦彦×榎戸洋司対談
- 2007/03/19(Mon) -
幾原邦彦(監督) VS 榎戸洋司(シリーズ構成)
徳間書店「アニメージュ」 97年5月号より

──1話と2話ができあがったところですが、どうですか、手ごたえは?

幾原:まあ、いいんじゃないの。狙い通りだよ。

──狙い通りですか。

幾原:キャラクター原案・さいとうちほ、脚本・榎戸洋司、アニメーションキャラクター・長谷川眞也というキャスティングができたところで、俺の中では作品のスタイルは固まっていたから。

榎戸:幾原が思った通りにできているんだろうな、というのはフィルムを見ていて伝わってくるよ。監督の好みが十二分に出たフィルムだという感じがするよ。だけどさ、幾原監督の作品ってさ、脚本家の立場としては悲しくなっちゃうことがあるな。

幾原:どういうこと?

榎戸:演出的な表現が作品の核になってしまうってことかな。

──ドラマよりも、それをいかに表現するのかの方が強くなってしまうってことですか?

榎戸:ウテナが、決闘場に入っていくシーンなんかは、特にそうだね。

幾原:そうかな。

──決闘のシーンで流れる歌には驚きましたよ。何です、あれは?

幾原:隠し玉です。あんな歌がかかるとは思ってなかったでしょ。

一同:(笑)。

幾原:最初から、オペラっぽくしたいと思ってたんだ。だけど、歌に合わせるなんて、誰でも考えつくことだから、ちょっとひねったんだけどね。

榎戸:幾原は、昔から「天井桟敷」の曲を使いたいって言ってたからね。それから、さいとう先生と、宝塚の舞台を見に行ったときに「音楽の使い方をつかんだ!」って叫んでたよね(笑)。

幾原:そうそう。さいとう先生や榎戸達と、宝塚に行ったときに「これでいいんだな」ということがわかった。

──どういうことですか。

幾原:宝塚のパロディにしちゃいけないと思ったんだ。実際見に行って、宝塚は、宝塚劇場で上演しているのがオリジナルだってことがよくわかった。「宝塚風」のものをやっているんじゃなくて、「宝塚そのもの」をやっているんだよね。だから、それをマネしても、模倣にしかならないことがわかったんだ。

榎戸:ジャンルについて訊かれたときに、「なんとかモノ」って一言で言うことが出来ない作品。言うならば「ウテナ物」と言われるような、新しいものを作ろうってことだね。

幾原:こういう舞台があって、こういう音楽が流れたら、「それは『ウテナ』じゃん」って人に言われるぐらいのものにしたい。パロディにされるぐらいの「本物」になればいいな。

──キャラクター的にはどうですか?

榎戸:だいたいイメージ通りに仕上がっています。

幾原:そうだね。

榎戸:ウテナとアンシーの声が、新鮮な感じがして、よい意味で驚かされたな。僕は、話数が進むうちにアンシーのキャラクターのもつ面白さが出てくるんだろうと思っていた。
だけど、あの声を聞いたら、すでに1話でキャラクターとして完成している。なあ、幾原。アンシーの声の感じって狙い通りなの?

幾原:うん。狙い通りだ。

──アンシーのキャラクターは、今後、担当作品の中核になるんですか?

榎戸:ウテナとアンシーの関係が全ての中心にあります。ただ、アンシー側の視点というのは一切描かれず、全部ウテナの側から見た視点でドラマが進むと思います。

──アンシーが何を考えているのか、というのを想像しながら見た方がいいということですか。

榎戸:「世界の果て」とか「薔薇の花嫁」とかミステリアスな言葉が出てきますけど、一番ミステリアスなのは「アンシー、お前は何を考えとるんじゃ!」ということでしょうね(笑)。それが話を引っ張ってくれるキーになると思います。
ただ、一般の視聴者が、アンシーをどうとらえるのかというのは、僕達には分からないですね。作品の中では、誰にでも媚びているようなキャラクターなんだけれど、視聴者には全然媚びてない。

──なるほど、面白いですね。

榎戸:エンゲージが終わった途端に、アンシーは西園寺に対して突き放したようなことを言うじゃない。アンシーのそういうキャラクターを強調して、「もう終わったことですから」みたいなセリフをシナリオで書くと、監督は何も言わないけど、その部分を見て、ニヤニヤ笑っている。「ああ、監督はこういうのが好きなのね」と思うよ。

──たまたま、そうなったんですか?

幾原:突き詰めていくと、そうせざるを得ないんだよね。さっき言ったように、オリジナリティのある作品にしたいと思ったから、ありがちなキャラでいくのはイヤだったんだよ。

榎戸:『ウテナ』の登場人物は、みんなファンタジーを持っているんだよね。西園寺は、「女の子はこうあるべきだ」みたいなファンタジーを持っていて、ウテナにしたって「王子様がどこかにいるんだ」と思ってたりする。
だけど、アンシーだけは、本当の現実を知っているというようなところがある。さめていて、それが、セリフとかでポロッと出ちゃう。現実を直視したセリフだから、アンシーの言葉にはドキッとさせられる。

──例えば、2話の「ええ、お好きなように」とかですね。

榎戸:そうです。あんまり、若者らしくないよね(笑)。西園寺とかウテナの方が若者らしいかな。

幾原:西園寺が一番分かり易い。

榎戸:いいヤツだよね。

幾原:いいヤツだよ。

──『ウテナ』の今後の展開は?

幾原:それなりの展開を用意していますので、期待していてください。

榎戸:『ウテナ』は、今、シナリオはシリーズ全体の半分くらいまで、できています。中盤から最初に予定した通りのラストに向かっていくのか、さらにそこからハズしていくのか。監督がどう思っているかが気になるところです。

──と榎戸さんは言っていますが、そうですか?

幾原:まあ、期待してください(笑)。
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