スポンサーサイト
- --/--/--(--) -
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
「咲き乱れるデュエリストたち」 榎戸洋司
- 2007/03/30(Fri) -
徳間書店「アニメージュ」 97年4月号より

──卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれず死んでいく。
   われらが雛だ、卵は世界だ……。

南の壁全体が、巨大なステンドグラスになっている。その極彩で描かれた薔薇の紋章の光と影が、部屋にいる全員の顔や制服を緋色花色に染めていた。
テーブルを囲む数名の男女は、鳳学園生徒会メンバーである。
優秀な成績と魅力的な個性をあわせもつ模範生グループ。
だが、彼と彼女らには、一般の生徒たちが知らないもうひとつの顔があった。
見れば、誰もが左手薬指に同じ指輪──薔薇の刻印をはめている。
彼ら生徒会のメンバーは、全員が“世界の果て”と名乗る謎の人物から指輪と手紙を受け取っていたのだ。
世界を革命しうる奇跡──ディオスの力。それが欲しければ、薔薇の花嫁である姫宮アンシーとエンゲージし、挑戦者と戦い、勝ち抜かねばならない。そう手紙には書いてあった。君たちにはその資格がある、と。
奇跡の力を得る、などという馬鹿げたゲームに、しかし彼らが興じたのは、手紙の内容にそれなりの信憑性をつかんだからである。

ここにいるメンバーは全員が現実主義者であり、ロマンティシズムな幻想に不要な時間を費やすものは一人もいなかった。そして現実を直視するすぐれた知性は、いつだってより強い権力を掌握する機会を見逃さないものだ。
なぜなら、競争原理に支配されたこの現実にあって、権力とは他者を支配するためのものではなく、本来“他者に支配されないためのもの”であることを彼らは知悉しているから。
薔薇の花嫁、姫宮アンシーとエンゲージすること。それが、奇跡の力を得る唯一の方法であるというゲーム。ここで言う"エンゲージ"とは関係性の契約だが、それは所有権に近いもので、つまり、姫宮アンシーという一個人の人格は無視された、これはゲームなのだ。
それを受け入れたときから、彼らはその座を賭けて戦う“デュエリスト”となった。
鳳学園生徒会はデュエリスト・サークルとの二重性を帯びたのだ。

「世界の殻を破らねば」生徒会長の桐生冬芽が言う。「我らは生まれず死んでいく。世界の殻を破壊せよ──」

──世界を革命するために!

スポンサーサイト
この記事のURL | テキスト | TB(0) | ▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://kasira.blog97.fc2.com/tb.php/20-91f47909
| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。