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「花をめぐる決闘者」 小黒祐一郎
- 2007/05/16(Wed) -
DVD「少女革命ウテナ L'Apocalypse 3」ライナーノーツより

『少女革命ウテナ』の登場人物のネーミングには、一つの法則がある。デュエリストになるキャラクターの名前には、植物に関連した言葉が入れられているのだ。
桐生冬芽なら「芽」、西園寺莢一なら「莢」、有栖川樹璃は「樹」、薫幹は「幹」。サブキャラクターでも、薫梢のように後にデュエリストになる事が運命づけられている者の名には、必ず植物に関連した言葉が与えられている。
そのデュエリスト達が決闘をして、奪い合っているのが、薔薇の花嫁である姫宮アンシーだ。彼女の名の「アンシー」はギリシア語で「花が開く」という意味だ。今回収録したエピソード[※]で初登場した鳳暁生や千唾馬宮は、植物に関連した言葉を名に持っていない。つまり、彼達は初登場した時から、デュエリストにはならない事が運命づけられていたわけだ。勿論、それがイコール、剣を持って戦う可能性がないというわけではないが。

それでは、我らが主人公、天上ウテナの場合はどうか。
ウテナは漢字で「台」と書く。植物の萼(がく)のことである。つまり、花を下から支え、倒れないように守っているのがウテナなのだ。ウテナの名には「見晴らしのよい高い場所」という意味もある。こちらの意味については、また別の機会に語る事にしよう。

デュエリスト達は、いずれも植物に関連した言葉を名前に持つが、植物の中で最も美しい「花」を名前に持つ者はいない。芽、莢、樹、幹といった植物の器官が「花」に最も近いアンシーを奪い合い、決闘をするという構図である。そして、それを守るのがウテナなのだ。
しかし、アンシーにしても「花が開く」という変化を名にしているのであって、花そのものを名にしているわけではないのだが。

野にある花は、優雅に咲いているように見える。だが、花は種族を残すために咲くのであって、ただ美しさのために咲くわけではない。いや、その美しさや、香りすらも、様々な生存競争の果てに獲得した彼女達の武器なのである。花とは、その美しさとは裏腹に、厳しく哀しい存在なのかもしれない。それは人間の女性の美しさについても同じ事なのだろう。

美しい花には棘がある。花にも、女にも棘がある。
第2部「黒薔薇編」において、アンシーの棘がよりくっきりと見えはじめる。

(DVD「少女革命ウテナ L'Apocalypse 3」ライナーノーツより)


※DVD「少女革命ウテナ L'Apocalypse 3」の収録話は
・第11話「優雅に冷酷・その花を摘む者」
・第12話「たぶん友情のために」
・第13話「描かれる軌跡」
・第14話「黒薔薇の少年たち」
・第15話「その梢が指す風景」  の5本である。
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