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「萎れざる草の時」 月村了衛
- 2007/05/24(Thu) -
LD「少女革命ウテナ L'Apocalypse 6」封入特典・解説書より

日も射さぬ地下の墓所に黒い薔薇が咲いている。
草時は黒薔薇に語りかける。なにを?永遠。

『少女革命ウテナ』黒薔薇編においては、時として美剣士ウテナは傍観者でさえない。狂言回しでさえも。
彼女は劇中より徹底的に排除される、そのイノセンスゆえに。

終幕近く、決闘広場に予期せぬ敵を見いだして狼狽するのみである……なぜだ? 君がどうして?
彼女は事ここに到った過程などまるで知る由もない。

これは私見だが、『ウテナ』の世界で悪ならざる者はいない。
ただ一人天上ウテナを除いて。そしてウテナの『無垢』は、『無知』に由来する。

ウテナは知らない、親友の若葉が、何も知らぬ少女が、心に飼い夜毎募らせる悪意を。

噴出した憎悪は、彼女たちを根室記念館へと走らせる。
御影草時は闇の底で微笑みながらそれを待つ。

草時は知っている、人の心の闇の深さを。
だからこそ、純真なる少年の訪れを受けた時、彼は不快そうに突き放したのだろう……ここは君の来る所ではないと。

おのれの時を萎れぬ押し花へと変えたとき、置き去りにしてきたはずのなにかが、彼の中に凍ったまま残っている。
私にはそれが痛ましい。


今も、草時は地下の薔薇に語りかける……幻の黒薔薇に。
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